サクラ、サクラ、クローバー

クマリン、ユーカリ、ユキカズラ
エーテルに溶ける
サクラ、シュガー、コンフェッティ
真空を満たしているもの
行き交う見えないチカラ
すべてを溶かしたエーテルに
丸い水紋、透き通る
バニラ、ミント、ラズベリー
目に見える色より多く
円環のスペクトル
目に見えぬ色より深く
縁端までトランスルーセント
紙石けんみたいにいくらでも引き出せる
羽衣のブレーンワールドを
触れたところから飾り染め滲ませるこの愛で
見上げるよ春を星々が
エーテルに溶け合う
サクラ、サクラ、クローバー

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鹿嶋：発想段階では、ハイライト、髪に桜の色が溶け込む姿が綺麗だなと、ヴィジョンが見えまして。詩の擬人化男子さんのその姿がとても満ち足りていたので 幸福な様子を描きたくて。今回は細部よりその桜と寄り添って溶け込む、色合いを重視してかきましたー。桜だから、どうしても４月中には仕上げたかった作品です。まにあってよかったー

eos：私は春は儚いものと思っていたけれど（今年書いた春の詩いくつかがそういう内容で）、鹿嶋さんは「そうではない」と仰って。春の確固たる実在性を描きたかったということで。私はこの絵に込められたメッセージに圧倒されてしまいました。

あまりに圧倒されて、これに合わせるべき詩に悩み３本書いたうちの最後の１本がこれです。３つ書いたことによって、よりエッセンスを取り出せていると思います。

鹿嶋：詩が３つあることによってストーリーが出来上がっているというか、展開していくようでいいよね～

eos：他の２本はボツでいいんじゃないかと言ったらもったいないと鹿嶋さんに言われたので、次のページに掲載しています。表題作よりはもっと分かりやすい詩かもしれません？　よければぜひ御覧ください。

鹿嶋：優しい単語が並んでいて、春の幸福な時間、手触り、すごく美しく表現されているねーって思って、しゅきです…

eos：鹿嶋さんから質問されましたが、詩の中のクローバーやユーカリは、花びらの中に混ざっている青色（私には対比で緑に見えるのです）を表しています。シロツメクサは春の匂いと平和を象徴すると思います。

鹿嶋：この詩の前に書かれた二つの詩もいいから見てね！（次ページへ）