紫陽花色の風がきらめかす
時間の水面が満ち潮に
天ノ川を遡る
雨が降れば嵩を増す
時間の水面に浮かべた
笹舟は光の波で踊る
欲しいものは何でもない
惜しむものも何もない
時間の水面で水を汲み
僕らは何でも叶えられる
天ノ嶺に降り注ぐ
あの虹の雨が流れ来て
時間の水面は涸れることはない
紫陽花色の夕暮れに
目を細める君の名を呼ぶ
七数をいくつもかけて
僕は君の水面を満たす
君がくれたものは
時間の水面の向こうまで
全てを満たしているのだから


制作裏話

eos:鹿嶋さん、今回は、素晴らしいイラストをありがとうございますぅぅ…。私が七夕が好きだってことで、すごく厳しい日程の中、大急ぎでこんな美しいイラストを描いていただいて…。小心者の私としては、もーどうしたらいいのかわからないですうう、あのーありがとうございました。なんか欲しい物ある?

鹿嶋:物理的な報酬をいただけるのですか? ええんやで。

eos:いつもええんやでって言ってくれるのね、ありがとう。鹿嶋さんこれ描くの今回すごく苦労なさって、3回くらい描き直したって言ってましたよね。

鹿嶋:本当は七夕当日にマネージャーにサプライズであげるつもりだったんですけどねぇ。今回また新しい試みで描けて楽しかったよ

eos:制作裏話ですから、どのへんが新しい試みなのか語ってみますか?

鹿嶋:今回はわざとアンチエイリアスがあまりかかっていないペンで描いてみました。

eos:はっきりしていて、とっても綺麗です髪が特に!海苔食べてるとか言う話になったくらい。あと、今TwitterにアップしてるEnable(制作予定の女攻めゲーム)のキャラクターの髪も同じような感じではっきりした塗りがきれいですね。

鹿嶋:そうそう、最近それで使ってみてハマったので今回は多用してみました。

eos:いろんなタッチが見れてたのしいです。ほんとはEnableの4人目の攻略対象キャラクターを描いてたんですけど、急遽この詩の擬人化男子さんを描いてくださいました、ほんとに頑張りましたね鹿嶋さんお疲れ様でした!

鹿嶋:そうなあ。かなりHP持ってかれて危険な状態でしたけど、途中経過を見せたらこういう画像をeosさんから頂いてとっても励まされましたよ↓

eos:怒られるかと思ってたー。せっかくの絵にめちゃくちゃにしてしまって、なにすんだコラって言われるかと…でも応援になったなら良かったあ…!

詩について

eos:今回も詩を3つ書きました。製作途中のイラストを見せてもらった時点で2つ書いて、先程完成画像を見せてもらってすぐに、上に載っている「七数をいくつもかけて」を書きました。

3つの詩すべてに紫陽花の色のイメージが共通しています。今回のイラストの美しく涼し気な色彩から私はどうしても紫陽花を思わずにいられなかったのです。

七夕の詩でもあります。私は七夕が好きで、今年も七夕の歌を多数書いていますが(pixivに掲載「七夕の歌2022 七月の水」)、それらの持っている色と異なる色の詩になっているなと自覚しました。それは鹿嶋さんの絵の持っている色が私の今年の七月の色と異なっていたからなんですよね。詩を書くモチーフをもらえること、とても嬉しいです。詩は美しいものを見ている感覚で書くものなので、素晴らしい体験なのです。

読んでくださる方がいらっしゃれば、詩の中に美しい景色を見ていただけたら冥利に尽きます。解釈も想像に広がる景色も、読む方の自由で楽しんでほしいと心から思います。

この絵に寄せて書いた他の2つの詩も次ページに掲載しておりますので、ご興味がありましたら御覧ください。

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