原神公式ファンアートイベント「明霄灯海」に参加した時のイラストです。
●イラストコンセプト
仙人として見えないところで璃月港を護ってきた魈が、旅人に誘われてはじめて人々と近い場所で見る海灯祭と璃月港は、彼にとってどのように映るのだろう？という着想のもと制作しました。
魈の目線の先には璃月港があり、港の灯り霄灯の灯りが水面に煌めいてます。
それらの灯りは璃月港の伝統と繁栄の証であり、魈が護法夜叉として護ってきた灯りです。
空に浮かぶ霄灯が戦地への想いを運び、海には璃月港の円満な営みが映る。そして彼の側には仲間達がいます。
数多の灯りに抱かれるようなこの景色こそが、彼の暗き道を照らす光であればいいな。という想いで描きました。
インクルージョン・マラカイト
いつかもみたわ
マラカイトの毒のゆめ
美しいからみんな知らないの
単純で幸せね、頬杖をついて
片手に小さなハンマーで
コツンと叩いて割ってあげるわ
脆くて綺麗なマラカイトの心臓を
金色のかけらがキラキラ
不透明だから誰も知らないの
もっと美しいインクルージョン
あなたの内側にあったこと
壊れてもいいのよ
誰も気にしない形なんか
あなたのことをもっと知ってるわ
マラカイトの緑より
色とりどりのあなたの夢を
誰かの悪意の中にも金色のインクルージョン
不透明だからみんな知らないの
表面や形を気にするふりで
結局誰も気にしてないのよ
光になって世界中へ届いてるのは
重たい痛みから蒸発したものだけ本当は
息をして吸い込んでるのは
苦しみじゃなくて光だけ
あなたのことを知ってるわ 金の翼
夢の中では誰もが
あなたの羽の温もりにすがり
微笑んでいるのよ子どものように
コツンと叩いて割ってあげるわ
ずっとかかえたマラカイトの毒のゆめ
こんなに脆くて綺麗なマラカイトの毒のゆめ
（詩：eos Hoshiyo）
あとがき
eos：この絵に詩をつけてみるよとか軽く言ってみたものの、この完成された絵に対して本当に書けるか？って焦りました。しかし、鹿嶋さんがこの絵に込めた意味合いは、大変繊細なもので、それは書いてみるとまさに詩になるものでした。薄いレイヤーの隙間に漂う、淡い面影…彼女の視線の角度。
私のいつもの詩と違うものを書けたのは鹿嶋さんの絵に寄せたからで、そのことがとても楽しかったです。
Hachi-Octavius
ファンアートイベントの際にも拝見していましたが、改めてものすごい作品だなと思いました。
これだけの大作、なかなかできるものじゃないですよね。鹿嶋さんの本気を見せてもらった感じです。細部まで丁寧なところは、やっぱり鹿嶋さんの良いところというか持ち味というか、素晴らしい点ですよね！一枚の絵の中でいろいろストーリーを想像させてくれる、いい作品だと思います。
eosさんの「インクルージョン・マカライト」も実はpixivで先に拝読していましたが、改めて読むとなんだか違う印象を受けたというか、私の中でより鮮明になりましたね。私は勝手に、魈を見守る蛍ちゃんの視点で読んでいて、それがとてもしっくりきてですね。最初に読んだ時と違う印象を受けたのはおそらくこの視点だと思いますが、私の中ではこの視点がとても気に入っています。
翠緑のマカライトの中に混じる金色のインクルージョンという表現がすごく美しく、彼を表現しているなぁと思いました！
Kashimarakka
ありがとうございます！これは寿命を削って描いたのをまだ覚えている…。
魈さんが知り得なかった、魈さんがもたらした景色。暗き道を照らす光は、すべては彼の中からできたものだということを、描きたいと思いました。
それをeosさんが詩にしてくれて、とても感激しました…！
この蛍の魈さんを見る視線、もしくは見ていない視線、そんなとこまでも表現してくれている素晴らしい詩です…！
魈さんの光、蛍の視点、これらは私がこのイラストで描きたかったものの重要なことだったのだと思います。
しかし本当に素敵な表現をしてくれるeosさんには脱帽でございます…！！
イラストと詩、どっちもたいへん丁寧に読み込んでくださってありがとうございます！！！
eosHoshiyo
この完成された絵に詩をつける余地なんてないと思ったんですが、書いてみると、鹿嶋さんの込めた視線はとても美しく二重になっていて、複雑で、そこを想いながら書きました。
表面的な字面と反対に果てしない慈愛に満ちた声音を…届けることができていたらいいと思います。
じっくり読んでいただきありがとうございます！